2010年06月15日一覧

1型糖尿病について:その2

以下の記述及びコメント欄において、炭水化物についての私の意見は、勘違いに基づく部分があります。「カーボカウント(血糖値コントロール)(2010/12/05)」も参照ください。

 

1型糖尿病について からの続きです。

 2型とは違う物だということを前回も書きました。もう少し続きを書きます。

インスリンペン
前回、針だけの画像を載せましたが、ペン型のインスリン製剤に針を取り付けたところです。このペン型のインスリンはディスポーザブルです。空になったら全部を捨てます(病院に持って行く)。

拡大
先っぽ部分の拡大画像。注射針とは思えない細さ。細い縫い針よりまだ細いかもしれない。

糖尿病ネットワーク 1型ライフ」 ←このサイトが唯一に近い、きちんと1型を理解して説明してくれてるサイトです。「1型」を検索して出てくるのはほとんどすべてが2型の解説サイトで、記事中に「1型というのもあるんだよ」程度しか触れてません。興味があるかたはチラッと覗いてみて下さい。

 2型の糖尿病は糖尿病で死ぬ、ということはまずありません。糖尿病で死ぬのは「超高血糖でケトアシドーシス(高血糖性昏睡)」になるか、「低血糖性昏睡」になるか、の二つしかありません。そのうちケトアシドーシスは2型の糖尿病の場合、糖尿病であることを意識し、医師の診断を受けている方なら、よほどの無茶をしない限りなりません。なぜって2型はインスリンは体内で作られているからです。いろいろな要因で効き目が悪いだけ。ただし、高血糖は自覚症状がほとんどないですから、糖尿病であることを知らずにいると危ないです。暴飲暴食などして一時的に血糖値が600とか700になると死ぬかもしれません。また、インスリン治療を受けると2型でも低血糖をおこす可能性はありますが、元々「高血糖体質」なのでインスリン使用時に指導を受けて「理解していれば」そんなに心配するほどでもないです。

 2型糖尿病の怖さは高血糖低血糖による昏睡ではなく、常に高血糖でいることで血管がぼろぼろになっていき、結果として神経や腎臓、網膜など毛細血管に依存してる部分が壊れてしまうことにあります。

 1型糖尿病はそうではありません。インスリンが体内で作られないだけで、インスリンの効き目は健康人と同じです。ただ、注射した量しかインスリンは体内に存在しませんし、取り入れたカロリーを自動判断して量を調節してくれるわけではないので、一定の血糖値を維持するにはカロリーコントロールの努力が絶対的に必要となります。注入したインスリンに見合うだけのカロリーを摂取しないと、多ければ高血糖、少なければ低血糖をおこして危険な状態になります。

 言い方を変えると、インスリンをうったら必ずそれに見合ったカロリー分の飲食をしないと生きていけません。食べられないときはインスリンをうたなければいいのかといえば、そうもいかないのです。インスリンは血糖を消費するためだけに使われるのではなく、生きていくための必須ホルモンですから、インスリンを無しにすることはできません。これって実際に体験するとかなりきついです。食欲に関係なく、あるいは吐き気があろうとも、下痢をしていても、とにかく「インスリン注射と食事」を省略できません。

 現在の血糖値ではなく、過去2ヶ月分くらいの血糖値平均を示すものとして、Hb(ヘモグロビン)A1cというのがあります。健康人で5.5以下。6くらいになると「境界型糖尿病(糖尿病予備軍)」と言われます。この値が8を越えると半年に一回は網膜剥離予防のために眼底検査が必要になります。2型糖尿病でこの値が(いくつからかは知りません。人によって違うだろうし)インスリン治療の目安になるようです。1型の血糖コントロール目標値は7.5程度だそうです。

 私は発病以来、この HbA1c を6.3~6.7に保っています。平均で6.5くらい。これはちょっと自慢していいことらしいんですが(インターネット調べ(笑))、うちの医者は、ふふん、と聞くだけで全然何も言ってくれません。この値におさめるにはかなりストイックな生活になります。私は「オタク」なんで、オタク精神がここにも活かされてます。なんにでも凝る人ですから、血糖値管理にも凝ってると思って下さい(笑)

 模範的な血糖値に保つと、常に低血糖におびえることにもなるんですが、幸い私は自営業なので自分で仕事の予定を立てられるし、大人なので(1型はほとんどが小児)低血糖になる前にその前兆を自覚できますから、なんとかやっていけてます。週に一度くらいは低血糖ギリギリでブドウ糖のお世話になってます。ちなみにブドウ糖って何か特殊な薬品みたいなイメージがありますが、見た目も味も普通の「砂糖」です。普通の砂糖は食べてから(実は砂糖に限らないんだけど)消化吸収されて血糖(血糖=ブドウ糖)になるまで30分かかりますが、ブドウ糖は最初からブドウ糖なので摂取してから10分足らずで血糖になります。低血糖を起こしそう、あるいは起こしても初期ならブドウ糖を一定量食べて10分間じっとしてれば回復します。ただ、心身へのストレスはけっこうあるようで、数日はだるさが続きます。

 就寝中に低血糖を起こすと怖いらしいんですけど、いまのところ就寝中でも低血糖の兆しがあれば目が覚めてくれてます。

 寝てるときよりも、実は仕事で人と接してるときが怖いですね。慣れた仕事ではあっても、人と接してるときは必ず緊張を伴います。どんなに、そんなことはない、普通だと思ってる人でも実際には緊張しています。緊張してるとですね、その「低血糖の前兆」に気がつかないんですよ。あ!と思ったときにはもう低血糖の症状(冷や汗とか体が極端に震える)が始まってしまう。その段階でもブドウ糖を摂取してじっとしてれば間に合うんですが、客の前で「すいません、低血糖になったので10分休ませて」とは言いにくい。何度かギリギリで話の結末まで持って行き、車に戻って休んだことが実際にあります。だから私は単独行動はしません。近場で簡単に往復できて、かつ、そういうことを平気で言える相手のときしか一人ではいきません。どこに行くのもいつも夫婦同伴です。

 インスリン注射もあるし、食べられる量もかっちりと決まってるし、低血糖も怖いし、ってことでいわゆる「会合」とか、「研修会」とか、「懇親会」とか、「食事会」とか、「会議」とか、そういうもの諸々、一切不参加です。何かに参加するのはオンラインのみ。

 ああ、そうだ。1型で、2型の糖尿病より良いこともあるんですよ(笑)
 それは食事療法ってのがないこと。カロリーは決まってますが、種類の制限はありません。もっとも糖尿病の食事制限ってのは腎臓の塩分制限とかのものとは違って「バランスの良い健康食を取ることで体質を改善しよう」というものですから、誰でもが本来はそうしたほうが良いものなんですけどね。それに少量でカロリーが高い物は満腹感がなくてすぐ空腹になっちゃうので、結局はダメです。少量でカロリーが高い物+コンニャクとかでごまかす方法はあるけど、そこまでめんどうなことはしたくない。いろいろ制限はあっても、好きな物を食べて良いってのはやはり嬉しい。

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